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あいろく

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2015年 08月 09日

ぞうの花子さん(寫眞週報より)


写真週報(寫眞週報)より、ぞうの花子さん。


まず「ぞうの花子さん」と聞いてピンとくる方も多いと思います。

花子さんはあの有名な絵本「かわいそうなぞう」に登場する三頭の象、ジョン、トンキー、ワンリー、

の中のワンリーの事です。


「かわいそうなぞう」は、上野動物園の象が戦時猛獣処分を受けた実話を元にしたお話です。

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そして「寫眞週報」とは、1938年(昭和13年)2月~1945年(昭和20年)7月まで

内閣情報部より刊行された戦時下の国民生活を写真によって特集した雑誌。

この誌面に登場する戦時下の日本人の姿は現在では貴重な歴史の証言記録となっています。

ぞうの花子さん(寫眞週報より)_e0350308_7341126.jpg



それをふまえて本日の本題です。

上の写真の「寫眞週報」昭和16年5月28日 第170号に「動物園のお医者様」という特集記事が数ページ掲載

されています。

これは獣医師さんが上野動物園の動物たちを診てまわる。というもの。



その中になんとぞうのワンリー(花子さん)の姿が。

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この花子さんの幸せそうな表情、丸々太った元気な姿。


「かわいそうなぞう」を読んだことがある方には(少しは)共感していただけると思うのですが、

この誌面が刊行されてから数年後に、絵本に描かれていた、あのような出来事があったのだ。と思うと

感慨深いものがあります。




by airoku-fukusuke | 2015-08-09 08:20 | 古道具


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